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2024
04/25

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ここしばらく「これだ!」と思える本がなかった。
読み終わった後に何も残らないような本ばかり読んでいたせいだ。
しかし。

うへっぇ~。
面白かった。


ミステリでもないのに読もうと思った切欠は、
同作者の『音道貴子』シリーズ大好物だからだった。

現代社会の問題(ネカフェ難民、派遣社員の扱い、正社員になれない等など)と、
過去から根強く解決されない異人種への排他、嫌悪。
家族とは何か。
人の縁。


一人では潰れてしまう。
些細な事でも、人との繫がる事で違うものが見えてくることもある。
ってのは、よく言われている事だ。
聞き飽きたフレーズだが、この作品中でジワっと疑似体験ができてしまうのだ。

画像
乃南 アサ
講談社 2009/10/21
単行本 ( 4062157233 )
[ 価格 ] ¥1,785
[ 中古 ] ¥783

満足度 : ★★★★☆

内容(「BOOK」データベースより) 最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。


テーマは暗いわ、重いわ、しんどいわで楽しい話では無い。
これは読み手の年齢層を非常にピンポイントで選ぶ作品かもしれないと思った。
(高い年齢層、または苦労をしらない低年齢層には受けないかもしれない)

だが。

主人公である耕平が、ドミノ倒しのようにダダダダっと落ちていく様、
真綿でジワジワと首を絞められるかのような苦しさ、恐怖、無力感などが
読んでいるほうがジットリと嫌な気分になりつつも、先を読まずにはいられないという不思議な魅力があった。
何を考えているのか、また素性も分からないが苦労していそうな杏奈
色々面倒くさそうな家庭事情が見え隠れする。



一旦、「レール」から外れた者に対しては、日本は非常に厳しい。
考えが甘いと言われればそれまでだが、せっかくやる気になっている芽を刈り取るのが現代の社会の実情だ。

(今も解決されていないが)派遣の雇用体系についてニュースで盛んに報道されていたが、一度ハマってしまうと抜け出せないぬかるみのような息苦しさ、大きすぎて見えない漠然とした恐れという残酷な現実が描かれている。

そこから抜け出すには、本人の力だけではどうにもならない。
頼れないが家族がいる、家族はいないが頼ってみたい人がいる。
些細な事で負のスパイラルから抜け出せたりするもんだ。

耕平に対してイラつく読者もいると思うが、そういう気持ちを持つ人が多いってのが現代社会の問題なんじゃないだろうか?
他人のことを少しでも気にかける余裕すらない人間が、彼らを卑下するのは滑稽に映る。

読んでいて楽しい作品ではない。
しかし、一気に読んでしまった。

物語の後半までのイメージ『George Frederic Watts』の『hope』だった。
(画像リンク貼っていいもんか分からんので、分からん人はググってくだし)

終盤からいっきに驚くほど急展開してしまうが、
こうでもないと、読者的にも気分が晴れないから
これはこれでアリだ。(゚д゚)

ところで、作中で杏奈が歌っている「夏川りみ」の「花になる」という曲を聴いた事が無かったんで検索してみた。

▼夏川りみ「花になる」
>

もっとしんみりした曲かと思っていたのだが、想像していたより長調で癒し系のメロディだった!



どうやら、耕平の祖母にスポットを当てた続編があるようだが、
これまた重い作品のようなので、すぐには読む気力がおきないがいつか読むよ!


画像
乃南 アサ
講談社 2010/11/16
単行本 ( 4062165937 )
[ 価格 ] ¥1,680
[ 中古 ] ¥555

内容(「BOOK」データベースより)
物心ついたとき、少女はここで暮らしていた。アイヌ語で、「地のはて」を意味するというこの土地で。おがちゃの背中と、あんにゃの手に、必死にしがみつくようにして。北海道知床で生きた女性の生涯を、丹念に描き、深い感動を呼び起こす。構想十年―書き下ろし長編小説。

画像
乃南 アサ
講談社 2010/11/16
単行本 ( 4062165945 )
[ 価格 ] ¥1,680
[ 中古 ] ¥718

内容(「BOOK」データベースより)
小樽での奉公を終え、知床に帰った少女は、かつて家族を救ってくれたアイヌの青年と再会する。一度きりのかなわぬ恋。そのとき少女ははじめて思う。人は自分の人生を、どこまで選び、決められるのか、と。厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜く。感動の最終章。
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